ゼロからわかるヘルパー2級の廃止(厚生労働省)

【ゼロからわかるヘルパー2級の廃止】

*2015年8月2日更新版。

2012年度(平成24年度)でヘルパー2級は廃止。2013年度から新制度・介護職員初任者研修がスタートしました。介護ヘルパー2級だけでなく、介護職員基礎研修も廃止です。

厚生労働省と、日本介護福祉士会、そしてヘルパー資格学校大手のニチイ学館に電話しましたので、最新の情報をメモに残しておきたいと思います。


【大きな違いは2つ】

介護職員初任者研修とは、どんな資格なのでしょうか。旧制度と新制度の違いは、大きくは次の2つです。

・技術重視のカリキュラム
・筆記試験

なお、すでにヘルパー2級を取得している人については、そのまま仕事を続けることができます


【カリキュラムの特徴は「こころとからだのしくみと生活支援技術」】

新カリキュラムでは、技術面に重点が置かれています。「こころとからだのしくみと生活支援技術」という科目に75時間もの時間が割かれているのです。

具体的なカリキュラムは次のとおりです。

・職務の理解 :6時間
・介護における尊厳の保持・自立支援 :9時間
・介護の基本 :6時間
・介護・福祉サービスの理解と医療との連携 :9時間
・介護におけるコミュニケーション技術 :6時間
・老化の理解 :6時間
認知症の理解 :6時間
・障害の理解 :3時間
・こころとからだのしくみと生活支援技術 :75時間
・振り返り :4時間

以上、合計 130時間

(参考)
愛知県のHP:介護員養成研修の見直しについて(PDF)
 

【講習の最後に筆記試験】

これまで、ホームヘルパーの資格取得は無試験でした。ですが、新資格の初任者研修では、筆記試験が課されます。ニチイ学館によれば、位置づけとしては、理解習熟度を見るためのものということで、難易度的にはやさしいものになりそうです。介護講座を行う資格学校ごとに問題を作成し、実施する形式になると言います。ニチイの場合は1時間程度のものを予定しているとのことでした。

初任者研修は、国家資格ではなく、都道府県の管轄です。それもあって、筆記は、資格取得学校によって微妙に中身が違うものになるようです。ですので、正確なところは、直接 各資格取得学校に問い合わせる必要があります。


【スッキリした介護資格制度に】

これまで、介護福祉士になるには複数のルートがありました。今回の改編では、専門の学校で学んだりした人以外は、次のようなスッキリしたルートになります。

介護職員初任者研修→介護福祉士養成のための実務者研修→介護福祉士

2017年(平成29年)1月の試験から、介護福祉士実務者研修修了が介護福祉士の受験資格要件になります。また、3年間の実務経験も必要です。
※先に実務者研修を修了した場合は、介護職員初任者研修の全科目が免除されます。
※実務者研修を修了すれば、本番で実技試験が免除されます。

また、厚労省によれば、国家資格にはならない可能性が高いということなのですが、介護福祉士の次のステップとして「認定介護福祉士の新設が予定されています。ただ、認定介護福祉士については、現段階では検討段階です。


介護福祉士実務者研修での科目の免除】

介護職員初任者研修課程は130時間。ですので、次のステップである実務者研修に進んだ場合、この130時間が免除され、320時間で実務者研修を修了することができます。(旧資格のヘルパー2級を持っている方も同様です。)

(参考)
日本ホームヘルパー協会:訪問介護員の養成と現任者のスキルアップ
 

【介護の資格学校にはどんなところがあるの?】

介護の資格学校は、受講費用がまちまち。たとえば初任者研修の場合、料金は7万円から15万円くらいまでと、かなりの幅があります。ただ、就業サポートがあったりなかったりと、授業料だけでは決められない面もあります。

ですので、一通り情報を集めてみて、比較検討するのがよいと思います。よく知られている介護資格の学校には、ニチイ学館や、ソラストハクビ未来ケアカレッジといったところがあります。


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