小出裕章:「4号機 燃料プール冷却停止なら、メルトダウンも」(たねまきジャーナル)

4月12日、突然冷却停止となった4号機の燃料プール。

原発の専門家である京都大学小出裕章先生は、ラジオ番組「たねまきジャーナル」の中で、「4号機 燃料プールの冷却が続けば、メルトダウンの可能性がある」という趣旨のコメントをしました。


【2012年4月12日「たね蒔きジャーナル」】

※以下、福島第一原発4号機に関する部分のみ、文字起こししました

アナ京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんです。では小出さん、今日もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

小出:はい。よろしくお願いします。

(中略)

アナ:では、小出さん今日はですねこれから質問をさせていただきます。

先ほどニュースでもお伝えしたんですが、東京電力福島第一原子力発電所の4号機の使用済燃料プールで、今日午後、冷却装置の警報が作動して、装置が停止するということがありました。

で、東京電力が発表したものでして。現場で水漏れがあるかどうかなど、今確認してるということなんですが。えープールの、当時の水温は28度ということで、東京電力は冷却装置が停止している間に急激な水温の上昇はないと説明をしていまして、警報が作動したのは、プールの水を冷やす機器の付近で、水漏れや異物の混入などの可能性が考えられるということです、というふうに伝わっているんですが。これは東電の言うとおりに受け止めてもいいものなんでしょうか。

小出:すいません。私は今はじめて、その情報を知りました。

ただ、これまでは、曲がりなりにも冷却装置というのが動いていて、プールの水の温度が20数度で、それ以上あがっていないということでしたので。私はなんとかその状態を維持して欲しいと、願い続けて、来ました。しかし、冷却装置が、もし、停止してしまうと、もちろんどんどん温度が上がっていってしまいますし。今現在どうなってるのかも私にはわかりませんが、何とか早めに冷却装置を再稼動させて、冷やす、ということをやらなければいけないと思います。

長時間冷却ができなければ、うん、また使用済燃料プールの中の、燃料が、メルトダウンするというようなことにもつながりかねませんので、何よりも大切なことは、冷却を維持するということです。

アナ:うーん。じゃあ、もう早く、元のように冷却できるように、えー戻さないといけないということですね。

小出:これはもちろん私だけでなくてすべての、原子力関係者は知っているはずですし、東京電力も、重々知っているはずですので、今現在作業をしてるんだろうと思います。

ただ、あの、大変な被曝環境ですので、作業者の方のことが私は心配ですけれども。でもやはり冷却だけはやらなければいけません

(中略)

ゲスト:原因としてはそういったこと(水漏れ、異物の混入)が考えられるんでしょうか。

小出:はい、あの、すいません、今、私はじめてこの情報を知ったので、うーんと思いながら今聞いたのですけども、冷却回路ができないということは、ポンプがきちっと動かない、あるいは流量が出ないということでしょうから、ポンプになにか不具合がある、あるいはその冷却回路の中のフィルターが目づまりしてしまったとかですね、何かの原因なんだろうと思いますが。えー、それを一刻も早く解消しなければいけないと思います。

アナ:はい、わかりました。続いて今度はリスナーの方の質問に参ります。

小出:はい。

アナ:えーこちらも、核燃料プールについてなんですけども、ラジオネーム「ハゲで悪いか」という方からですが、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールの倒壊リスクについては、番組でも取り上げられていましたが、1号機から3号機の使用済み核燃料プールはどうなっているんでしょうか。教えてください。よろしくお願いしますというご質問です。

小出:はい。問題の基本は一緒です。

1号機から3号機の使用済燃料プールの中にも、使用済燃料が入っていますので、そこの冷却ができなくなるのであれば、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁の外側にありますので、大量の放射性物質が外に飛び出してくることになってしまいます。ただし、1号機から4号機まで、まあ、何がしかの爆発が起きて、いるのですが、一番激しい爆発というか、使用済燃料プールに関する限りの最悪の爆発は、4号機で、起こりました

1号機と3号機はオペレーションフロアーという、私たちが呼んでいる、最上階の、何にもないいわゆるまぁ普通の空間で爆発が起きているのですが、4号機の場合は使用済燃料プールが埋めこまれている、その階がすでに吹き飛んでしまっていて、使用済燃料プールがすでに傾いてしまっている、のです。ですから、これから壊れるということを心配するのであれば、まずは4号機、だと、私は思います。もちろん他のものも大切です。

アナ一番危険度が高い状態になってるのが、4号機であると、いうことですね。

小出:はい。


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・[http://d.hatena.ne.jp/rakkochan+jikopr/20120203/p3:title=京大・小出先生の語る「放射性物質トリチウムの危険性」]