週刊誌はなぜ特定の放射能測定器を好んで使うのか?(放射能・ホットスポット)
【SOEKS−01Mとは】
SOEKS−01Mとは、ガイガーカウンターの商品名です。この放射能測定器、なぜか週刊誌の取材で大人気。週刊現代もフライデーも、この放射線量測定器で放射能・ホットスポットを計測しています。最安値は3万3千円ほど。ガイガーカウンターの中でも激安です。
ガイガーカウンターより精度が高いと言われるシンチレーション検出器ですと、安いものでも5万以上。10万円以上が当たり前です。堀場製作所のPA−1000(ラディ、Radi)なら13万円前後。松戸市などが自治体の計測で使っています。13万円で正確さが買えるなら、そちらの方が取材向きだと思うのですが。どうしてもベータ線が計測したいとか、ガイガーカウンターが好き?ということなら、ガイガーの中では比較的正確と言われるterra mks-05(テラ、黒)だってあります。
【SOEKS−01Mは、過大な測定値が出やすい】
実は、SOEKS−01Mは誤作動しやすい機種として知られています。地表で実際より極端に高い数値が出やすいのです。これは地表近くのベータ線(β線)を誤って拾って表示してしまうためです。これを防ぐには、アルミ板でベータ線を遮蔽して測定する必要があります。
(参考)
・ガイガーカウンターでのβ線測定時の誤った表示について
週刊現代の7月30日号。栃木県那須塩原市での計測の様子が写真入で紹介されています。地表に置かれたSOEKSが毎時14.62マイクロシーベルトを表示している写真が掲載されました。那須は放射能・ホットスポットとして知られています。ですので、これが真実であることはありえます。ただ、今回紹介されている地点のいくつかで、びっくりするような数値が測定されています。しかも、それは地表に限ってなのです。栃木県日光市5.09、千葉県流山市3.20・・・。いまだかつてメディアが報道した中で、飛びぬけて高いのです。
【週間現代の地表での測定値は、あくまで参考程度に】
意図してなのか、そうでないのかわかりませんが、週刊現代は、地表の放射線量を計測するのに、地表の測定が苦手なガイガーカウンターを採用しています。本来は、地表の数値が極端に高いのであれば、地表の測定が得意な機種を選んだほうがいいのではないかと思うのですが。ということで、週刊現代の数値については、地表ではなく、地上1メートルの計測値の方を参考にするのがいいと個人的には思うようになりました。
悪意をもって想像すると、わざと高い数値が出る測定器を使って取材して、高い数値を計測。→それを世に出すことで注目を集め、週刊誌の売り上げ増につなげている、とつい考えたりもしてしまいます。週刊現代ファンの私としては、たまたまうっかりミスで、ベータ線遮蔽をせずにSOEKSで地表を測っていると思いたい。今後の取材では、地表の調査は地表の計測が得意な機種で行ってくれることを祈ってます。
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